スマホを操作していて、うっかり緊急通報ボタンを押してしまった経験はありませんか。
焦ってすぐに電話を切ってしまったものの、「この後どうなるんだろう…」「警察が家に来るかも…」と不安になってしまいますよね。
緊急通報を間違えてすぐ切ってしまった場合、最も大切なのは、すぐに同じ番号（110番または119番）にかけ直し、「間違えました」と正直に伝えることです。
通報を受けた警察や消防は、事件や事故の可能性を考えて安否確認の行動を起こす準備をしています。
かけ直して事情を説明することで、不要な出動を防ぎ、お互いに安心して状況を終えることができるのです。
この記事では、緊急通報を間違えて切ってしまった際の正しい対処法から、誤操作を防ぐためのスマホ設定まで、あなたの不安を解消する方法を詳しく解説していきます。
この記事を読むと分かること
- 緊急通報を間違えてすぐ切った後に、まず何をすべきか
- 警察が家に来る可能性はどれくらいあるのか
- 放置した場合に罰金や逮捕などのリスクはあるのか
- 折り返しの電話に出られなかった場合、どうなってしまうのか
- スマホの誤操作を防ぐための具体的な設定方法
- 実際に間違えてしまった人の体験談
緊急通報を間違えたあげくすぐ切った場合にまずやるべきこと
うっかり緊急通報をしてしまい、パニックで電話を切ってしまったら、まずは落ち着いて正しい対応をとることが大切です。
放置してしまうと、かえって事態が大きくなってしまう可能性があります。
ここでは、万が一の時にあなたが取るべき具体的な行動について、分かりやすく解説していきます。
やるべきことはシンプルなので、焦らず一つひとつ確認していきましょう。
正直に事情を話すため、すぐに110番か119番へかけ直す
まずやるべきことは、ためらわずに、かけた番号へすぐに電話をかけ直すことです。
110番にかけたなら110番へ、119番なら119番へ電話し、オペレーターに「先ほど間違えて電話をかけてしまいました。事件や事故ではありません」と正直に伝えましょう。
通報を受けた側は、あなたがすぐに切ったことで「事件に巻き込まれたのかもしれない」と心配しています。
かけ直して事情を説明することは、彼らの無駄な出動を防ぐことにつながる、とても大切な行動なのです。
「怒られたらどうしよう」と不安に思う必要はありません。
間違い電話はよくあることなので、正直に伝えれば大丈夫ですよ。
警察や消防から折り返しの電話があったら必ず出る
もし自分からかけ直す前に、警察や消防から電話が折り返しでかかってきたら、絶対に無視せずに出てください。
知らない番号からの着信だと不安になるかもしれませんが、これはあなたの安否を確認するための重要な電話です。
電話に出ないと、「応答できない危険な状況にいるのでは？」と判断され、警察官が自宅に来たり、救急車が出動したりする事態になりかねません。
もし電話に出られなかった場合でも、気づいた時点ですぐにかけ直すようにしましょう。
非通知でかかってくることもあるので、間違えてしまった直後は、知らない番号や非通知の電話にも注意を払うことが大切です。
なぜひと言「間違えました」と伝える必要があるのか？
「間違えただけなのに、なぜわざわざ電話しないといけないの？」と感じるかもしれませんね。
その理由は、あなたが電話を切った瞬間に、オペレーターは最悪の事態を想定するからです。
例えば、あなたが誰かに脅されていて、声を出せない状況で必死に緊急通報をしたのかもしれない、と考えています。
そのため、電話がすぐに切れると、通話が途切れた場所の特定を急ぎ、警察官を向かわせる準備を始めるのです。
あなたからの「間違えました」という一言は、こうした警察や消防の活動をストップさせ、本当に助けを必要としている他の人へリソースを向けてもらうための、重要な意味を持っています。
電話で伝えるべき内容の例文
いざ電話をかけるとなると、緊張して何を話せばいいか分からなくなるかもしれませんね。
でも、伝えることはとてもシンプルです。
以下に例文を紹介するので、参考にしてみてください。
「先ほど、間違って110番（119番）に電話をかけてしまいました。申し訳ありません。事件でも事故でもありませんので、ご安心ください。」
基本的にはこれだけで十分です。
オペレーターから名前や電話番号を聞かれることもあるかもしれませんが、落ち着いて答えれば問題ありません。
大切なのは、間違えてしまった事実と、緊急の用件ではないことをはっきりと伝えることです。
緊急通報を間違えてすぐ切ったら警察は家まで確認に来る？
「間違えて切っちゃったけど、本当に警察が家に来るの？」と、一番気になるのはこの点ではないでしょうか。
結論から言うと、状況によっては警察官が自宅まで確認に来る可能性は十分にあります。
ここでは、どんな場合に警察が来るのか、そして位置情報がどこまで特定されるのかなど、皆さんが不安に思うポイントを詳しく解説します。
事件性を確認するため、警察が家に来る可能性は十分にある
警察は、通報が間違い電話なのか、それとも声を出せない危険な状況なのかを判断できません。
そのため、国民の安全を最優先し、事件性を確認するために自宅まで来てくれることがあります。
特に、電話口で物音がしたり、何かを話している途中で切れたりした場合は、事件に巻き込まれた可能性が高いと判断されやすいです。
また、折り返しの電話に出なかった場合も、安否確認のために訪問される確率が上がります。
警察官が来てくれるのは、あくまで私たちの安全を思ってのことなので、もし訪問があっても、正直に事情を説明すれば大丈夫です。
どんな場合に自宅訪問されやすい？
自宅まで確認に来られやすいケースには、いくつかのパターンがあります。
- 折り返しの電話に全く出ない場合
- 電話が切れる前に、何か言い争うような声や物音が聞こえた場合
- 同じ番号から、短時間に何度も無言電話や即切りの着信があった場合
- 子どもが電話に出て、状況がうまく説明できない場合
これらの状況は、事件や事故の可能性を疑わせる要因となります。
逆に言えば、すぐにかけ直して「間違えました」としっかり伝えれば、警察官が家に来ることはほとんどありません。
やはり、間違いに気づいた時点ですぐに連絡することが何よりも大切なのです。
GPSで位置情報はどこまで特定されている？
最近のスマートフォンは、緊急通報と同時にGPSの位置情報が自動的に送信される仕組みになっています。
この精度は非常に高く、多くの場合、市区町村や番地、さらには建物の名前まで特定できてしまいます。
つまり、「どこからの電話か分からないだろう」と思っていても、通報を受けた側はあなたの居場所をかなり正確に把握しているのです。
このシステムのおかげで、本当に助けが必要な人が迅速に救助されるわけですが、間違い電話の場合も同じように場所が伝わっています。
だからこそ、放置せずにきちんと連絡を入れないと、特定された場所へ警察官が向かうことになってしまうのです。
オペレーターがいたずらと判断する基準
間違い電話と、悪質ないたずら電話は全くの別物です。
オペレーターは、その違いを声のトーンや話し方、状況から慎重に判断しています。
一度の間違いですぐに謝罪の連絡を入れれば、いたずらと判断されることはまずありません。
しかし、何度も執拗に電話をかけたり、暴言を吐いたり、明らかにふざけた態度を取ったりすると、悪質ないたずら（虚偽通報）と見なされる可能性があります。
オペレーターも人間ですから、誠意のない対応には厳しい判断を下すこともあります。
真摯な態度で間違いを伝えれば、何も心配する必要はありません。
放置してしまったら罰金や逮捕のリスクはある？
「かけ直すのが怖くて、つい放置してしまった…」という場合、次に心配になるのが罰金や逮捕といった法的なペナルティですよね。
ただの間違い電話で、まさか逮捕されるなんてことはあるのでしょうか。
ここでは、間違い電話を放置した場合の法的なリスクについて、皆さんの不安が解消されるように解説していきます。
間違い電話だけでは罰金や逮捕にはならない
まず安心してほしいのですが、一度や二度、間違えて緊急通報をしてしまっただけで、罰金を科されたり逮捕されたりすることは、まずありません。
法律は、悪意のない間違いを罰するようにはできていないのです。
警察も、間違い電話が日常的にあることを理解しています。
ですから、「間違えたら犯罪になるかも」と過度に心配する必要はありません。
ただし、これはあくまで「悪意のない間違い」の場合です。
その後の対応によっては、話が変わってくる可能性もあるので注意が必要です。
虚偽通報とみなされた場合の罰則内容
もし、間違い電話ではなく、警察官や消防士をだます目的で嘘の通報をした場合、それは「虚偽通報」という犯罪になります。
例えば、「強盗に入られた」と嘘の110番をしたり、「家が燃えている」と嘘の119番をしたりするケースです。
このような悪質な行為は、警察や消防の業務を著しく妨害するため、法律で罰せられます。
具体的には、軽犯罪法違反（拘留または科料）や偽計業務妨害罪（3年以下の懲役または50万円以下の罰金）に問われる可能性があります。
間違い電話と虚偽通報は、意図が全く違うということを覚えておいてください。
電話口で怒られることはある？
「かけ直したら、怒られるんじゃないか…」と不安で電話できない、という気持ちも分かります。
でも、安心してください。
オペレーターが感情的に怒鳴ったり、厳しく叱責したりすることは、まずありません。
彼らはプロとして、冷静に対応するように訓練されています。
むしろ、あなたが正直に「間違えました」と伝えてくれたことに、安堵するはずです。
もちろん、公共の重要な回線なので、「今後は気をつけてくださいね」と注意を促されることはあるかもしれません。
しかしそれは、あなたを責めているのではなく、本当に緊急事態にある人のための回線を確保するための、当然のお願いなのです。
折り返しの電話に出られなかった場合はどうなる？
間違い電話の後、自分からかけ直す前に折り返しがあり、それに気づかなかったり出られなかったりするケースもありますよね。
「着信履歴に知らない番号が…もしかして」と後から気づいて、不安になることも。
ここでは、折り返しの電話に出られなかった場合に、どのようなことが起こりうるのか、そしてどう対応すべきかを解説します。
安否確認のため、パトカーや救急車が出動する可能性がある
折り返しの電話に応答がない場合、通報を受けた側は「本人が電話に出られない深刻な事態かもしれない」と判断する可能性が高まります。
あなたの安否を確認することが最優先されるため、GPSで特定された位置情報をもとに、パトカーや救急車、消防車が出動することがあります。
もちろん、全てのケースで出動するわけではありませんが、そのリスクは格段に上がると考えておきましょう。
無駄な出動をさせてしまうのは、非常に申し訳ない気持ちになりますよね。
そうした事態を避けるためにも、折り返し電話にはできるだけ出る、出られなくてもすぐにかけ直す、という対応が重要です。
何度も着信が来る？非通知でかかってくることも
安否が確認できるまで、警察や消防は複数回にわたって電話をかけてくることが一般的です。
一度出なかったからといって、すぐに諦めるわけではありません。
また、警察署によっては、システム上の都合や個人の特定を避けるために、非通知で折り返しの電話をかけてくることがあります。
間違い電話をしてしまった直後は、知らない番号からの着信だけでなく、非通知設定の着信にも注意が必要です。
「非通知は怪しいから出ない」と決めている人もいるかもしれませんが、この時ばかりは例外として対応した方が良いでしょう。
留守番電話にメッセージは残る？
もしあなたが留守番電話サービスを設定している場合、メッセージを残してくれることもあります。
「こちらは〇〇警察署です。安否確認のためお電話しました。ご無事でしたら、この番号まで折り返しご連絡ください」といった内容のメッセージが入っている可能性があります。
留守番電話にメッセージが入っていたら、その内容に従って、速やかに指定された番号へかけ直しましょう。
メッセージが残っていれば、状況を把握しやすくなります。
ただし、必ずしもメッセージを残してくれるとは限らないので、着信履歴自体に注意を払うことが大切です。
スマホが原因の誤操作を防ぐための具体的な設定方法
そもそも、こうしたヒヤッとする事態は、できれば避けたいものですよね。
実は、スマートフォンの設定を少し見直すだけで、誤って緊急通報してしまうリスクをかなり減らすことができます。
iPhoneとAndroid、それぞれのOSで設定方法が少し異なります。
ここでは、誰でも簡単にできる具体的な設定手順をご紹介しますので、ぜひこの機会にご自身のスマホをチェックしてみてください。
【iPhone】サイドボタンでの緊急SOS発信を無効にする手順
iPhoneでは、サイドボタンや音量ボタンを特定の操作で長押しすると、緊急SOSが発信される機能があります。
これが意図しない誤作動の原因になることが多いのです。
この「長押しして通報」機能を無効にするには、以下の手順で設定します。
- 「設定」アプリを開きます。
- 「緊急SOS」をタップします。
- 「長押しして通報」のスイッチをオフ（白色）にします。
この設定をしておけば、サイドボタンを5回連続で押した場合にのみ緊急SOSが作動するようになり、カバンの中などでの誤作動を大幅に防ぐことができますよ。
【Android】ロック画面の緊急通報ボタン設定を見直す
Androidスマートフォンの場合、ロック画面の下部に「緊急通報」のボタンが表示されていることが多いです。
このボタンが、ポケットやバッグの中で勝手に押されてしまうことがあります。
機種によって設定方法は異なりますが、一般的には「設定」から「ロック画面」や「セキュリティ」の項目に進み、ロック画面の表示オプションを変更できる場合があります。
ショートカットを編集して緊急通報ボタンを非表示にしたり、別の機能に置き換えたりすることが可能な機種もあります。
ご自身のスマートフォンの取扱説明書や設定画面を確認し、誤操作しにくいようにカスタマイズしてみましょう。
スマートウォッチの転倒検出機能による誤作動にも注意
Apple Watchなどのスマートウォッチには、激しい転倒を検出すると自動的に緊急通報を発信する機能が搭載されています。
この機能は、万が一の際には命を救う素晴らしいものですが、スポーツ中や転寝をした際などに誤作動してしまうことがあります。
本人は全く気づかないうちに、時計が勝手に消防へ通報している、というケースも報告されています。
もし誤作動が頻繁に起こる場合は、この機能を一時的にオフにすることも検討しましょう。
Apple Watchの場合は、「Watch」アプリの「緊急SOS」から「転倒検出」の設定を変更できます。
【体験談】緊急通報を間違えてしまった人たちの声
ここまで色々と解説してきましたが、やはり実際に同じ経験をした人の話を聞くと、より安心できるかもしれませんね。
実は、緊急通報の間違いは、多くの人が経験している「あるある」な出来事なんです。
ここでは、実際に緊急通報を間違えてしまった方々の体験談をいくつかご紹介します。
きっと「自分だけじゃなかったんだ」と、ホッとできるはずですよ。
すぐに謝って問題なかったケース
「ポケットの中でスマホが押されてしまったらしく、知らないうちに110番に発信していました。すぐに電話を切ったのですが、怖くなってすぐかけ直し、『すみません、間違えました』と伝えたら、『分かりました、大丈夫ですよ』と優しい対応で、名前を聞かれただけで済みました。」
このケースのように、間違いに気づいてすぐに正直に連絡すれば、何事もなく終わることがほとんどです。
迅速で誠実な対応が、一番の解決策であることがよく分かりますね。
折り返しに出ず、警察が訪問してきたケース
「夜中に子供がスマホをいじっていて、110番にかけてしまったようです。私は寝ていて全く気づかず、折り返しの電話にも出ませんでした。すると30分後くらいに警察官が2人、自宅に訪ねてきて…。事情を説明したら、『お子さんがいるご家庭はよくあるんですよ』と笑って帰っていきました。本当に申し訳なかったですが、ちゃんと来てくれて安心もしました。」
折り返しの電話に出ないと、このように警察官が安否確認に来てくれることがあります。
少し驚きますが、正直に事情を話せば問題ありません。
この体験談からも、警察が私たちの安全を第一に考えてくれていることが伝わってきます。
子供のいたずらで発信してしまったケース
「少し目を離した隙に、1歳の子供がスマホで遊んでいて、119番に発信してしまいました。電話口で子供の『あーうー』という声が聞こえ、慌てて切りました。すぐにかけ直して『子供がいたずらしてしまって…』と平謝りしたら、『はいはい、大丈夫ですよ。お怪我はないですか？』と逆に心配してくれました。本当に焦りましたが、オペレーターの方の優しさに救われました。」
小さなお子さんがいるご家庭では、こうした誤操作は起こりがちです。
オペレーターの方もそうした状況には慣れています。
パニックにならず、正直に状況を説明することが大切ですね。
緊急通報を間違えた！すぐ切ったときの対処まとめ
- 緊急通報を間違えてすぐ切ったら、まず同じ番号にかけ直して謝罪する。
- かけ直すことで、警察や消防の不要な出動を防ぐことができる。
- オペレーターに「間違えました。事件や事故ではありません」と伝えれば大丈夫。
- 警察や消防から折り返しの電話があったら、知らない番号でも必ず出る。
- 折り返し電話に出ないと、安否確認のため警察が家に来る可能性が高まる。
- 一度の間違い電話で、罰金や逮捕になることはまずない。
- 悪質ないたずらと判断されると、虚偽通報として罰せられる可能性がある。
- オペレーターが電話口で怒ることはなく、冷静に対応してくれる。
- スマホのGPS機能により、あなたの位置情報はかなり正確に特定されている。
- 放置すると、特定された場所にパトカーや救急車が向かうことがある。
- iPhoneは「設定」から緊急SOSの誤操作を防ぐ設定ができる。
- Androidもロック画面の設定を見直すことで、誤作動を減らせる。
- スマートウォッチの転倒検出機能が誤作動することもあるので注意が必要。
- 子供のいる家庭では、スマホの管理に特に気をつける。
- もし警察が訪問してきても、正直に事情を説明すれば問題ない。