返信用封筒やレターパックで、自分の名前の下に「様」と書かれていて、どう消せばいいか迷った経験はありませんか。
実は、この「様」を正しく消すことは、相手への敬意を示す大切なビジネスマナーなんです。
正しい方法は、二重線で「様」を消し、適切な敬称に書き換えること。
修正テープや修正液を使うのは、あまり良い方法とは言えません。
この記事では、なぜ二重線で消すのが良いのかという理由から、具体的な線の引き方、状況に応じた敬称の使い分け、さらには返信用のレターパックを準備する際のマナーまで、誰でもすぐに実践できる方法を分かりやすく解説していきます。
この一手間が、相手に「しっかりした人だな」という良い印象を与えるきっかけになりますよ。
この記事を読むと分かること
- レターパックの「様」を消す際の正しい訂正方法
- 修正テープや修正液を使ってはいけない理由
- 「様」を消した後の正しい敬称(行・宛・御中)の書き方
- 相手が会社や部署の場合の修正マナー
- 返信用のレターパックを用意する側の注意点
- 書き損じた場合の対処法など、よくある質問への回答
レターパックの様を消すときの基本的な訂正方法とは
返信用のレターパックに記載された「様」は、二重線で消して訂正するのが社会人としての基本マナーです。
これは、相手が自分のために書いてくれた敬称を、自分で消すという行為への敬意を示すためなんですよ。
修正テープなどで完全に消してしまうと、かえって失礼にあたる可能性があるので注意が必要です。
ここでは、なぜ二重線なのかという理由から、縦書き・横書きそれぞれの具体的な線の引き方、そして「様」以外の敬称をどうすべきかまで、基本的なルールを詳しく見ていきましょう。
なぜ二重線で消すのが正しいマナーなのか
二重線で消す理由は、「あなたが書いてくださった敬称を確認し、敬意を払った上で訂正しました」という意思表示のためです。
修正テープや修正液で完全に隠してしまうと、相手の心遣いを無かったことにしてしまうような、少し冷たい印象を与えかねません。
また、公的な書類では修正の履歴がわかるように、二重線での訂正が基本とされています。
レターパックもそれに準じ、誰がどのように修正したか分かるようにしておくのが、丁寧で誠実な対応と言えるでしょう。
知っているだけで、相手からの印象がぐっと良くなるマナーですよ。
縦書きの場合の二重線の引き方と見本
縦書きの宛名で「様」を消す場合は、文字の上にまっすぐ二重線を引きます。
定規を使っても良いですが、手書きで丁寧に引いた線でも全く問題ありません。
大切なのは、誰が見ても「様」という文字を消していることがはっきりと分かることです。
線の角度が斜めになりすぎたり、曲がってしまったりしないように気をつけましょう。
引いた二重線の左隣に、修正後の敬称である「行」や「宛」を書き加えます。
こうすることで、すっきりと見やすく、丁寧な印象を与えることができます。
横書きの場合の二重線の引き方と見本
横書きの宛名でも、訂正方法は縦書きと全く同じです。
「様」の文字の上に、まっすぐな二重線を引いてください。
こちらもフリーハンドで問題ありませんが、まっすぐ引くことを意識すると、より丁寧な印象になります。
修正後の敬称(「行」や「宛」)は、二重線を引いた文字の下に書き加えるのが一般的です。
文字の真下に書くと、バランスが良くきれいに見えますよ。
ビジネスシーンなど、フォーマルな場面ほど、こうした細かい部分が相手の信頼につながることもあります。
「様」だけでなく「お」や「ご」も消した方がいい?
宛名に「お名前」や「ご住所」と書かれている場合、「お」や「ご」といった敬称も一緒に消すのがより丁寧なマナーです。
これらは相手がこちらを敬って使ってくれた言葉なので、返信する際には不要になります。
消し方は「様」と同じで、二重線を引くだけで大丈夫です。
例えば、「山田太郎 様」とあれば「様」だけを消しますが、「御芳名」とあれば「御芳」の二文字を二重線で消し、「名」の左隣(縦書きの場合)に「行」を書き加えます。
細かい部分ですが、知っていると一目置かれるマナーなので、ぜひ覚えておきましょう。
レターパックの様を消す際に修正テープや修正液は使えるのか
宛名の「様」を消す際に、修正テープや修正液を使うのは基本的には避けるべきです。
特に、ビジネスシーンや目上の方への返信ではマナー違反と受け取られる可能性が高いので注意しましょう。
なぜなら、修正テープや修正液は「間違いを完全に隠す」ための道具だからです。
相手が書いてくれた「様」を跡形もなく消す行為は、相手の気遣いを無視するようで失礼にあたると考えられています。
ここでは、修正テープなどが推奨されない具体的な理由や、どうしても使いたい場合の注意点について解説します。
修正テープや修正液の使用が推奨されない理由
修正テープや修正液の使用が推奨されない一番の理由は、相手への敬意が伝わりにくくなるからです。
二重線での訂正が「確認した上で修正しました」という意思表示なのに対し、修正液などで塗りつぶすのは、単なる「間違いの修正」という印象を与えてしまいます。
また、上から文字を書くと凹凸ができて書きにくかったり、剥がれてしまったりするリスクもありますよね。
公的な書類やビジネス文書では、修正箇所が明確に分かるように二重線を用いるのが一般的です。
レターパックも同様に考え、丁寧な対応を心がけるのが良いでしょう。
フォーマルな場面では避けるべき
就職活動の応募書類や、取引先とのやり取りなど、フォーマルな場面では修正テープや修正液の使用は絶対に避けましょう。
採用担当者や取引先の相手に、「ビジネスマナーを知らない人だな」というマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
こうした小さな配慮ができるかどうかで、あなたの評価が左右されることもあるかもしれません。
たとえ書き間違えてしまったとしても、二重線で丁寧に訂正する方が、誠実な人柄が伝わります。
大切な場面ほど、基本に忠実な対応をすることが重要です。
どうしても使いたい場合の注意点と許容範囲
修正テープや修正液の使用が許されるのは、ごく親しい友人や家族間でのやり取りなど、かなりプライベートな場合に限られます。
相手との関係性をよく考え、失礼にあたらないと確信できる場合のみにしましょう。
もし使う場合は、できるだけきれいに修正し、上から書く文字が汚くならないように注意が必要です。
ただし、ビジネスシーンではたとえ同僚宛てであっても、二重線での訂正が無難です。
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉の通り、基本的なマナーは守っておくのが安心ですよ。
書き損じがひどい場合は交換も検討する
もし「様」を消すのを失敗したり、他の部分を大きく書き損じてしまったりした場合は、新しいレターパックに交換することも検討しましょう。
レターパックは、所定の手数料(1枚42円)を支払えば、郵便局の窓口で新しいものや他の郵便商品と交換してもらえます。
修正だらけのレターパックを送るより、きれいな状態のものを送る方が、相手にとっても気持ちが良いはずです。
特に重要な書類を送る際には、新しいものに書き直すのが最も確実で丁寧な方法と言えます。
無理に修正しようとせず、交換制度を利用するのも賢い選択の一つです。
「様」を消した後の正しい敬称の書き換え方
二重線で「様」を消しただけでは、まだマナーとしては不十分です。
消した後に、送る相手に合わせた正しい敬称を書き加える必要があります。
この敬称の使い分けが、意外と迷ってしまうポイントですよね。
基本的には、返送先が個人であれば「行」または「宛」、会社や部署などの組織であれば「御中」を使います。
ここでは、個人宛に送る場合の書き換え方や、敬称を書き加えるベストな位置、そして自分が相手に送る際の注意点について詳しく解説します。
個人宛に送る場合の「行」や「宛」への書き換え方
返送先の宛名が個人名になっている場合は、「様」を二重線で消した後、「行」または「宛」に書き換えます。
「行」と「宛」はどちらを使っても問題ありませんが、一般的には「行」がよく使われる傾向にあります。
これは、自分宛の宛名を「〜行き」と謙遜して表現するためです。
縦書きの場合は消した「様」の左隣に、横書きの場合は下に「行」または「宛」を書き加えましょう。
この一手間を加えるだけで、ビジネスマナーをきちんと理解しているという印象を相手に与えることができます。
敬称を書き加える位置はどこがベスト?
敬称を書き加える位置には、実は明確な決まりはありません。
ただし、一般的には修正したことが分かりやすいように、消した文字のすぐ近くに書くのが親切です。
縦書きの場合は、二重線で消した「様」の左隣、もしくはすぐ下に書くとバランスが良いでしょう。
横書きの場合は、二重線で消した「様」のすぐ下に書き加えるのが最も一般的です。
あまり離れた場所に書くと、修正したことが分かりにくくなる可能性があるので注意してくださいね。
見やすさと丁寧さを意識することが大切です。
自分の名前の「行」や「宛」はどう消すべき?
今度は逆に、あなたが相手から送られてきた返信用封筒の「行」や「宛」を消す立場の場合です。
自分の名前の後ろに「行」や「宛」と書かれていたら、それを二重線で消して「様」に書き換えるのがマナーです。
これも相手への敬意を示すための大切な作法になります。
消し方はこれまでと同じで、「行」または「宛」の文字の上に二重線を引きます。
そして、その隣や下に、少し大きめの文字ではっきりと「様」と書き加えましょう。
このように、送る側も受け取る側も、互いに敬称を修正し合うのが日本の美しい手紙文化の一つなんです。
相手が会社や部署宛なら「御中」に修正する
返送するレターパックの宛名が、「株式会社〇〇」や「〇〇部」のように、個人名ではなく会社や部署名になっているケースもありますよね。
この場合、「様」を消した後に使う敬称は「御中(おんちゅう)」が正解です。
「御中」は、その組織に所属する誰か、つまり「中の人へ」という意味を持つ敬称です。
担当者の個人名が分からない場合に非常に便利で、ビジネスシーンでは頻繁に使われます。
「様」と「御中」の使い分けをマスターすれば、もう宛名書きで迷うことはありませんよ。
「御中」はどのような場面で使うのが適切?
「御中」は、会社、部署、課、係など、組織や団体そのものに郵便物を送る際に使います。
例えば、「人事部」や「経理課」など、特定の個人宛てではないけれど、その部署の誰かに読んでほしい、という場合に最適です。
懸賞の応募や資料請求などで、宛名が「〇〇キャンペーン事務局」となっている場合も「御中」を使います。
個人名が分かっている場合は「様」を使うのが基本なので、あくまで担当者が特定できない時のための敬称だと覚えておきましょう。
このルールさえ押さえておけば、どんな宛名にも対応できます。
「様」から「御中」への具体的な書き換え手順
返信用レターパックの宛名が「〇〇株式会社 様」となっていたら、まずは「様」を二重線で丁寧に消します。
これは個人宛の時と全く同じ手順です。
その後、会社名や部署名の下に「御中」と書き加えます。
縦書きであれば会社名の左下に、横書きであれば会社名のすぐ下に書くと、全体のバランスが良く見えます。
「御中」は会社名よりも少し小さめに書くと、よりスマートな印象になりますよ。
たったこれだけで、マナーのしっかりした丁寧な返信が完成します。
「御中」と「様」を同時に使うのはNG
よくある間違いとして、「株式会社〇〇 御中 山田太郎 様」のように、「御中」と「様」を両方書いてしまうケースがあります。
これは二重敬語にあたるため、マナー違反となるので注意してください。
宛名に部署名と個人名の両方が記載されている場合は、組織名の後には何もつけず、個人名の後にだけ「様」をつけます。
正しくは「株式会社〇〇 人事部 山田太郎 様」となります。
「御中」は組織に、「様」は個人に使う敬称です。
どちらか一方で十分だと覚えておけば、間違うことはありません。
返信用のレターパックを準備する際の注意点
今度はあなたが誰かに返信をお願いする立場になり、返信用レターパックを準備する際の注意点です。
相手に気持ちよく、そしてスムーズに返信してもらうためには、ちょっとした気遣いがとても大切になります。
ただレターパックを同封するだけでなく、相手の手間を少しでも省けるように準備しておくのが、スマートな大人のマナーと言えるでしょう。
ここでは、自分の宛名の書き方から、相手への配慮、封筒への入れ方まで、好印象を与えるためのポイントを解説します。
自分の名前に「様」ではなく「行」を付けておく
返信用レターパックの宛名に自分の名前を書く際は、「様」ではなく「行」または「宛」を使いましょう。
自分の名前に「様」を付けてしまうと、相手に「自分で『様』を消して『行』に書き換えろ」と言っているようで、非常に尊大な印象を与えてしまいます。
最初から「山田太郎 行」のように書いておくのが、相手への思いやりです。
そうすれば、相手は「行」を二重線で消して「様」と書き加えるだけで済みます。
この小さな配慮が、円滑なコミュニケーションの第一歩になるんですよ。
相手が書き加えやすいようにスペースを配慮する
返信用レターパックに自分の宛名を書くとき、文字をぎゅうぎゅうに詰め込むのは避けましょう。
相手が「行」を消して「様」に修正するためのスペースを、あらかじめ確保しておくのが親切です。
名前の横や下に、少し余白を持たせておくと、相手はとても書きやすいはずです。
特に、会社名や部署名、役職なども書く場合は、全体のレイアウトを考えて、修正する相手の立場になって書いてみてください。
こうした細やかな気配りができる人は、仕事でもプライベートでもきっと信頼されるでしょう。
レターパックを封筒に入れる際の折り方
返信用レターパックを送る側の封筒に入れる際、折り方にも少し気を配るとより丁寧です。
もしレターパックを折る必要があるなら、宛名や品名欄が内側になるように三つ折りにするのが一般的です。
これは、配送中に個人情報が見えたり、印字が擦れたりするのを防ぐためです。
また、相手が受け取って開いたときに、きれいな状態で宛名が見えるというメリットもあります。
送る封筒のサイズに合わせて、できるだけ折り目が少なくなるように工夫するのも良いですね。
最後まで相手のことを考えた行動が、良い関係を築きます。
【FAQ】レターパックの宛名修正に関するよくある質問
ここまで、レターパックの「様」を消す方法を中心に、様々なマナーについて解説してきました。
しかし、実際にやってみると「こういう時はどうするの?」といった、さらに細かい疑問が出てくることもありますよね。
ここでは、書き損じてしまった場合の対処法や、品名欄の修正方法など、多くの人が疑問に思いがちな点について、Q&A形式で分かりやすくお答えしていきます。
最後のチェックポイントとして、ぜひ参考にしてください。
書き損じた場合は新しいレターパックに交換できる?
はい、交換できます。
書き損じてしまったレターパックは、郵便局の窓口に持っていくと、所定の手数料(1枚につき42円)で新しいレターパックや切手、はがきなどと交換してもらえます。
ただし、現金での返金はできないので注意してください。
また、料額印面(切手部分)が汚れていたり、破れていたりすると交換できない場合があるので、保管には気をつけましょう。
修正するのがためらわれるほど大きく失敗してしまった場合は、無理せず交換制度を利用するのがおすすめです。
品名欄を修正したい場合はどうすればいい?
品名欄の記入を間違えてしまった場合も、宛名と同じように二重線で訂正するのが基本です。
修正したい部分に二重線を引き、その近くの空いているスペースに正しい品名を書けば問題ありません。
修正テープや修正液は、宛名と同様に避けた方が無難です。
品名は、航空輸送できるかどうかを判断するための重要な情報です。
特に遠方へ送る場合は、内容物を正確に、分かりやすく記載することを心がけましょう。
もし書き方に迷ったら、郵便局の窓口で相談するのも一つの手ですよ。
相手に失礼だと思われないための最終チェックリスト
レターパックを送る前に、失礼がないか最終確認しましょう。
以下のリストをチェックしてみてください。
- 返信用の「様」は二重線で消し、「行」や「御中」に修正したか
- 自分が返信をもらう側なら、宛名に「行」を付けたか
- 修正テープや修正液は使っていないか
- 「御中」と「様」を同時に使っていないか
- 敬称を書き加えるスペースは十分か
- 宛名や住所に間違いはないか
- 品名は正しく記載されているか
これらの点を確認するだけで、マナー違反を防ぎ、相手に良い印象を与えることができます。
レターパックの様を消す方法まとめ
- 返信用のレターパックに書かれた「様」は二重線で消すのが基本マナーです。
- 修正テープや修正液で完全に消すのは、相手の心遣いを無視するようで失礼にあたる場合があります。
- 二重線で消すのは「確認した上で訂正しました」という敬意の表れです。
- 縦書きの場合は「様」の左隣に、横書きの場合は下に新しい敬称を書きます。
- 「様」を消した後は、個人宛なら「行」または「宛」に修正しましょう。
- 返送先が会社や部署など組織の場合は「御中」に書き換えます。
- 「株式会社〇〇部 御中」のように、「御中」と「様」の併用はNGです。
- 「お名前」などの「お」や「ご」も、二重線で消すとより丁寧な印象になります。
- 自分が返信用レターパックを用意する際は、自分の名前に「様」でなく「行」と書きましょう。
- 書き損じたレターパックは、手数料を払えば郵便局で交換可能です。
- 品名欄を間違えた場合も、二重線で訂正するのが正しい方法です。
- 宛名を修正する際は、相手が書き直しやすいようにスペースを空けておくと親切です。
- 細かいマナーを守ることが、相手との良好な関係構築につながります。
