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飛行機の時速は何キロ?新幹線との比較、離陸・着陸時の速度

飛行機の時速は何キロ?新幹線との比較、離陸・着陸時の速度

空を見上げると飛んでいる飛行機。

あの大きな機体は、一体どれくらいの速さで進んでいるのでしょうか。

私たちが普段利用する一般的な旅客機は、上空で時速約900kmという猛スピードで飛行しています。

これは、新幹線の約3倍にもなる速さです。

しかし、飛行機の速度は一定ではなく、離陸する時、安定して飛んでいる時、そして着陸する時で大きく変わります。

この記事では、飛行機の時速について、様々な状況や他の乗り物との比較を交えながら、誰にでも分かりやすく解説していきます。

この記事を読むと分かること

  • 一般的な旅客機の巡航速度(時速何キロか)
  • 離陸時や着陸時の具体的な速度
  • 新幹線やリニアモーターカーとの速さの比較
  • 飛行機の種類(プロペラ機や戦闘機)による速度の違い
  • 「マッハ」という単位の意味と時速への換算
  • 飛行時間が予定より短くなる理由
目次

飛行機の時速が何キロかというと、一般的な旅客機で約900km/h

私たちが旅行や出張で乗る一般的な旅客機は、上空を安定して飛行している「巡航」時、時速約900kmで飛んでいます。

この速度は、燃費効率や安全性などを総合的に考えて、最もバランスが良いとされているスピードです。

ただし、この「速度」には実は種類があったり、フライトの状況によって少しずつ変わったりします。

ここでは、飛行機の速度に関する基本的な知識や、私たちがリアルタイムでその速さを知る方法について見ていきましょう。

国際線と国内線で巡航速度に違いはある?

国際線と国内線で、飛んでいる時の巡航速度に大きな違いはほとんどありません。

どちらも、時速800kmから900km程度で飛行するのが一般的です。

速度は、航空会社や路線というよりは、ボーイング787やエアバスA350といった、飛行機の機種そのものの性能によって決まります。

同じ機種であれば、国内を飛んでいても海外を飛んでいても、最も燃費よく飛べる効率的な速度は変わりません。

そのため、国内線だから遅い、国際線だから速い、ということは基本的にないのです。

なぜ時速900kmで飛ぶのが最も効率的なのか?

旅客機が時速約900kmで飛ぶのは、その速度が最も燃費効率に優れているからです。

飛行機は、速すぎると空気抵抗が大きくなりすぎて燃料をたくさん消費してしまいます。

逆に、遅すぎてもエンジンを動かし続けるために、結果的に多くの燃料が必要になります。

つまり、燃料の消費量と飛行時間とのバランスが最も取れた「スイートスポット」が、時速900km前後というわけです。

航空会社にとっては、燃料費がコストの大部分を占めるため、この最も経済的な速度で飛ぶことがとても重要になります。

知っておきたい「対地速度」と「対気速度」の根本的な違い

飛行機の速度には、「対地速度」と「対気速度」という2つの種類があります。

対地速度は、その名の通り「地面」に対してどれくらいの速さで移動しているかを示す速度です。

私たちが普段「時速何キロ」と言うときの速さは、この対地速度にあたります。

一方、対気速度は、「空気」に対してどれくらいの速さで飛んでいるかを示す速度です。

飛行機が空を飛ぶために必要な揚力を得る上で、この対気速度が非常に重要になります。

風の影響を受けるため、この2つの速度は必ずしも一致しません。例えば、強い追い風の中では、対気速度が遅くても対地速度は速くなります。

フライトレーダーで実際の飛行速度を確認する方法

今、実際に空を飛んでいる飛行機の速度を、リアルタイムで知ることができます。

「Flightradar24(フライトレーダー24)」といったウェブサイトやスマホアプリを使えば、地図上を飛んでいる飛行機のアイコンをタップするだけで、詳細な情報が表示されます。

その情報の中に、「Ground Speed(対地速度)」という項目があり、これが現在の飛行機の時速です。

表示は通常「ノット(kt)」という単位なので、その数字を約1.852倍すると、おなじみの「時速(km/h)」に換算できます。

旅行中の家族が乗っている便などを調べてみると、その速さに驚くかもしれません。

飛行機の時速が何キロになるかは、離陸・着陸・巡航で大きく変わる

飛行機は、フライトの状況に応じて巧みに速度をコントロールしています。

空の上を時速900kmで飛んでいるかと思えば、地上では人が歩くくらいの速さでゆっくりと移動します。

特に、離陸と着陸の瞬間は、飛行機にとって非常に重要で、速度も大きく変化する場面です。

ここでは、滑走路を走る離陸時、空から降りてくる着陸時、そして天候が速度に与える影響について、具体的に見ていきましょう。

離陸滑走時の速度はどれくらい?

飛行機が離陸するために滑走路を走る時の速度は、機種にもよりますが、おおよそ時速250kmから300kmに達します。

これは、東海道新幹線のぞみ号の最高速度に匹敵するスピードです。

飛行機は、この猛スピードで滑走することによって、翼に十分な「揚力(ようりょく)」、つまり機体を持ち上げる力を発生させます。

そして、パイロットが「V1(離陸決心速度)」や「VR(機首引き起こし速度)」と呼ぶ特定の速度に達したのを確認して、機首をぐっと引き上げ、大空へと舞い上がっていくのです。

窓から外を見ていると、あっという間に景色が流れていくのが分かります。

着陸進入時の平均的な速度

空港に着陸するために高度を下げてくる時の速度は、時速約250kmから280kmほどです。

離陸時よりは少し遅いですが、それでも高速であることに変わりはありません。

パイロットは、「フラップ」と呼ばれる翼の一部を広げて空気抵抗を増やしながら、安全に接地できる速度まで巧みに減速していきます。

そして、タイヤが滑走路に「タン、タン」と触れる瞬間の速度は、時速240km前後です。

そこから、エンジンの逆噴射や翼のスポイラーを使ってさらにブレーキをかけ、ゆっくりと駐機場へと向かっていきます。

上空の追い風や向かい風は速度にどう影響する?

上空の風は、飛行機の速度(対地速度)に直接影響します。

特に、日本の上空には「偏西風」という西から東へ向かう非常に強い風が常に吹いています。

このため、日本からアメリカやヨーロッパへ向かう「往路」は、強い向かい風を受けることになり、飛行時間が長くなる傾向があります。

逆に、アメリカやヨーロッパから日本へ帰ってくる「復路」は、この偏西風を追い風として利用できます。

そのため、機体は風に背中を押される形になり、対地速度が時速1000kmを超えることも珍しくありません。

結果として、往路よりも復路の方が飛行時間が短くなるのです。

新幹線やリニアモーターカーとの速度の比較

時速900kmと聞いても、いまいちピンとこないかもしれません。

そこで、私たちの生活に身近な乗り物である新幹線や、未来の乗り物リニアモーターカーと比較してみましょう。

こうして比べてみると、飛行機がいかに速い乗り物であるかが、より具体的に実感できるはずです。

ここでは、地上を走る最速クラスの乗り物や、動物界最速のチーターと飛行機の速さを比べてみます。

新幹線のぞみ号の最高時速との差

日本の大動脈を走る東海道新幹線の「のぞみ号」の最高速度は、時速285kmです。

一方、一般的な旅客機の巡航速度は時速約900km。

つまり、飛行機は新幹線の約3倍以上も速いということになります。

東京から大阪まで、新幹線なら約2時間半かかりますが、飛行機なら離陸から着陸までわずか1時間ほどです。

もちろん、空港での待ち時間や移動時間を考慮する必要はありますが、空の上を移動している時間だけを比べると、その速さの違いは歴然としています。

リニア中央新幹線の最高速度と比べるとどう?

現在建設が進められているリニア中央新幹線は、最高時速500kmで走行する予定です。

これは、新幹線と比べると圧倒的に速く、地上を走る乗り物としては驚異的なスピードと言えます。

しかし、それでも飛行機の時速約900kmには及びません。

リニアモーターカーが開業すれば、東京から名古屋までが約40分で結ばれるとされています。

一方、飛行機なら羽田空港から中部国際空港まで、フライト時間だけで見れば同程度の時間です。

リニアは、空港へのアクセス時間をなくせる点で、飛行機にとって強力なライバルになるかもしれません。

F1カーや世界最速の動物チーターとの速さの違い

他の速いものとも比べてみましょう。

自動車レースの最高峰であるF1カーは、直線で時速350kmを超えることがあります。

これもとてつもない速さですが、飛行機はその2.5倍以上のスピードです。

また、動物界最速と言われるチーターは、最高時速約110kmで走ることができます。

チーターも全力で走れば高速道路の車と同じくらいの速さですが、飛行機はその約8倍の速さで空を飛んでいることになります。

こうして見ると、飛行機の速さが際立ってきますね。

乗り物/動物最高速度(時速)
飛行機(旅客機)約900km
リニアモーターカー約500km
F1カー約350km
新幹線(のぞみ)約285km
チーター約110km

飛行機の種類による最高速度の違い

「飛行機」と一言で言っても、その種類は様々です。

巨大なジャンボジェットから、小さなプロペラ機、そしてヘリコプターまで、形や目的が違えば、もちろんその飛行速度も大きく異なります。

普段私たちが乗るジェット旅客機が最も身近ですが、他の種類の飛行機は一体どれくらいの速さで飛んでいるのでしょうか。

ここでは、飛行機の種類ごとの速度の違いについて見ていきましょう。

ジャンボジェット(ボーイング747)の巡航速度

「ジャンボジェット」の愛称で親しまれたボーイング747型機は、一般的な旅客機と同じく、時速約910kmで巡航します。

その巨大な機体からは想像しにくいかもしれませんが、他の旅客機と比べても遜色のない、非常に速いスピードで飛行していました。

4つのエンジンがもたらすパワフルな推力によって、多くの乗客と貨物を乗せながら、長距離を高速で移動することができたのです。

残念ながら日本の航空会社からは退役してしまいましたが、今でも世界の空で活躍している姿を見ることができます。

プロペラ機(セスナなど)は時速何キロで飛ぶ?

エンジンから伸びたプロペラを回転させて飛ぶプロペラ機は、ジェット機と比べると速度はゆっくりです。

観光などで使われる小型のセスナ機は、時速200kmから300km程度で飛行します。

また、離島への路線などで活躍する、もう少し大きなプロペラ旅客機(ターボプロップ機)でも、時速500kmから600km程度です。

ジェット機のように高高度を高速で飛ぶのには向きませんが、短い滑走路でも離着陸できたり、燃費が良かったりするという利点があります。

そのため、短い距離の移動では今でも広く活躍しているのです。

ヘリコプターの平均的な飛行速度

ヘリコプターは、機体の上にある大きなローター(回転翼)を回して飛ぶ、少し特殊な航空機です。

一般的なヘリコプターの飛行速度は、時速200kmから250kmくらいです。

飛行機と比べると遅いですが、ヘリコプターの最大の特徴は、その場で停止する「ホバリング」や、真上に上昇したり、後ろに進んだりできることです。

この高い機動性を活かして、救助活動や報道、遊覧飛行など、飛行機にはできない様々な場面で重要な役割を担っています。

前に進む速さだけでなく、その自由自在な動きがヘリコプターの魅力です。

戦闘機や世界最速の飛行機の驚異的なスピード

私たちが乗る旅客機の世界とは別に、空には想像を絶するスピードで飛ぶ飛行機が存在します。

それが、国の防衛を担う戦闘機や、特別な目的のために作られた超音速機です。

これらの飛行機の速さは、もはや「時速」ではなく、「マッハ」という単位で語られます。

ここでは、音速を超える飛行機の、まさに異次元のスピードの世界を覗いてみましょう。

人類が作り出した、最も速い乗り物の実力とはどれほどのものなのでしょうか。

「マッハ」で表される音速とは時速何キロ?

「マッハ」とは、音の速さを基準にした速さの単位です。

マッハ1が、音速と同じ速さということになります。

音速は、空気の状態(気温や密度)によって少し変わりますが、標準的な大気中では秒速約340mです。

これを、私たちにおなじみの時速に換算すると、約1224km/hとなります。

つまり、マッハ2は時速約2448km/hということになります。

飛行機が音速を超えると、「ソニックブーム」という衝撃波が発生します。

旅客機がこの速度で飛ばないのは、こうした衝撃波による影響や、膨大な燃料消費といった理由があるからです。

戦闘機(F-15など)はマッハいくつで飛行する?

航空自衛隊でも活躍しているF-15戦闘機は、最大でマッハ2.5という驚異的なスピードで飛行することが可能です。

これを時速に換算すると、なんと約3000km/hにもなります。

これは、旅客機の3倍以上の速さです。

東京から大阪までの距離なら、わずか10分足らずで到達してしまう計算になります。

戦闘機は、敵の航空機よりも早く有利な位置を確保したり、危険な場所から素早く離脱したりするために、このような超高速性能が求められるのです。

そのスピードは、まさに国の空を守るための力と言えます。

かつて活躍した超音速旅客機「コンコルド」の伝説

かつて、音速で飛ぶことができる唯一の旅客機が存在しました。それが「コンコルド」です。

コンコルドは、マッハ2、つまり時速約2200kmという信じられない速さで、主にロンドンやパリとニューヨークを結んでいました。

この速さにより、通常7時間以上かかる大西洋横断を、わずか3時間半で飛ぶことができたのです。

しかし、燃費が非常に悪いこと、音速を超える際のソニックブームという大きな騒音問題、そして高額な運賃などが理由で、2003年に惜しまれつつも全ての便が引退してしまいました。

まさに、夢の超音速旅客機として語り継がれています。

ギネス記録を持つ人類最速の航空機「SR-71 ブラックバード」

人類がこれまでに作り出した、有人航空機の中で最も速いとされているのが、アメリカの偵察機「SR-71 ブラックバード」です。

この黒い怪鳥のような飛行機は、公式記録としてマッハ3.3、時速にして約3529km/hというギネス世界記録を持っています。

一説には、非公式ながらマッハ3.5以上で飛行したとも言われています。

その主な任務は、敵国の領土の上空を、地対空ミサイルでも追いつけないほどの超高速で飛行し、写真偵察を行うことでした。

もはや飛行機というよりも、ロケットに近い存在だったと言えるかもしれません。

飛行機の速度に関するよくある質問

ここまで、飛行機の速度について様々な角度から見てきました。

最後に、多くの人が抱く素朴な疑問について、Q&A形式で答えていきたいと思います。

「なぜもっと速く飛ばないの?」とか、「飛行機から外を見ても速く感じないのはなぜ?」といった、ちょっとした不思議を解消していきましょう。

これらの答えを知ることで、次回のフライトが少し違った視点で見えるようになるかもしれません。

なぜ旅客機はもっと速く飛ばないの?

旅客機がコンコルドのように音速を超えてもっと速く飛ばない最大の理由は、経済性、つまり「燃費」です。

速度を上げれば上げるほど、空気抵抗が爆発的に増え、必要な燃料の量も比べ物にならないほど多くなってしまいます。

そうなると、航空券の値段が何倍にも跳ね上がってしまい、気軽に利用できる乗り物ではなくなってしまいます。

航空会社は、安全性はもちろんのこと、いかに効率よく、経済的に乗客を目的地まで運ぶかを最優先に考えています。

現在の時速900km前後という速度は、そのバランスが最も取れた結果なのです。

飛行機の中から外の景色の速さを体感できる?

時速900kmという猛スピードで飛んでいるにもかかわらず、飛行機の窓から外を見ても、あまり速さを感じないことが多いです。

その理由は、比較対象となるものが非常に遠くにあるからです。

地上を走る車や新幹線は、近くの電柱や建物が次々と後ろに流れていくため、速さを実感できます。

しかし、高度1万メートルを飛ぶ飛行機にとって、比較対象ははるか下にある地上の景色や、遠くの雲だけです。

対象が遠すぎるため、景色がゆっくりと動いているように見え、自分がどれだけ速く移動しているのかを体感しにくいのです。

飛行時間が予定より短くなることがある理由

飛行機に乗っていると、時々、航空券に書かれている到着予定時刻よりも早く目的地に着くことがあります。

この最も大きな理由は、先ほども触れた「追い風」の影響です。

特に、冬場の偏西風は非常に強くなるため、西から東へ向かう太平洋路線やシベリア上空を飛ぶヨーロッパからの帰国便などでは、この風にうまく乗ることで飛行時間を大幅に短縮できます。

パイロットは、常に最も効率の良いルートを探して飛行しており、強い追い風を味方につけるのもその技術の一つです。

予定より早く着くのは、なんだか少し得した気分になりますね。

飛行機は時速何キロ?まとめ

  • 一般的な旅客機の巡航速度は、およそ時速900kmです。
  • 離陸する時の滑走速度は、新幹線並みの時速約300kmに達します。
  • 着陸時の速度は、時速約250kmまで減速して安全に接地します。
  • 飛行機の速さには、地面基準の「対地速度」と空気基準の「対気速度」があります。
  • 強い追い風(偏西風など)に乗ると、飛行時間が予定より短くなります。
  • 新幹線のぞみ号(時速約285km)と比べ、飛行機は約3倍の速さです。
  • プロペラ機の速度は、時速200kmから600km程度でジェット機よりゆっくりです。
  • 音の速さである「マッハ1」は、時速にすると約1224kmです。
  • 戦闘機はマッハ2以上、時速2500kmを超えるスピードで飛行します。
  • かつて存在した超音速旅客機コンコルドは、マッハ2で大西洋を横断しました。
  • 旅客機がもっと速く飛ばないのは、燃費と安全性を最優先しているためです。
  • 上空で速さを感じにくいのは、比較対象物が遠くにあるからです。
  • フライトレーダーなどのアプリで、リアルタイムの飛行速度を確認できます。
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